「童心に還る」と「幼児プレイ」との違い

……について、レインボーチルドレンのインストラクター養成コースでよく考えます。

赤ちゃん言葉を使って、オムツをしておしっこを漏らしたり、わーいわーいと子供のフリをしてはしゃいでいれば、それって童心に還ったことになるのかな、というと、そうでもないんですよね。

たしかに、大人になるにつれて良くも悪くも、恥や外聞といったものに敏感になり、素直な自分を率直に表現できない、また自分の素直な気持ちがなんなのか自分でもわからなくなってしまうということは往々にして起こりがちで、そういった自分の殻を破るというのは、1つ、心が解放される素晴らしい体験であることは間違いないと思います。
(蛇足ですが、演劇の世界で役者はまず最初にこれができるようになることを推奨されます。本当に、『はい、いまから君は6歳だ。6歳児のように振る舞いなさい。いや、6歳児になりなさい!なりきるのです!!』といった課題が出されて、みんなの前でそれを実演するといった、普通に考えたら羞恥プレイ以外の何物でもないようなことを、真剣にやらされたりします←この時点で挫ける役者に先はありません)

ただ、これだけだと子供の頃の気持ちを思い出して本当の意味で「童心に還る」のとも、またちょっとニュアンスが違うというか。

自分自身がマスコミの世界にいて(子供をターゲットにした作品のアイデア会議をする際などに顕著に)感じたことですが、大人が思い描く「子供」って、

・大人より劣っている、愚かで浅はかで単純な存在
・なんとなく「かわいい」感じのものを出しさえすれば好意的に反応するはず
 →大人が容易に「操れる」存在だという安直な思い込みから来ている

などと、どこか「子供という存在をナメた」ものであることが多いんです。

そしてこういった大人が抱く子供のイメージは、子供そのもののリアルな在り方とは、哀しいほどずれているのを痛感せざるをえません。

子供の在り方って、大人と比べて何かが劣っているとか、幼稚で馬鹿げていて、存在として重要でないという意味じゃないんですよね。

人間が考えること、感じることは、子供と大人に大差はないというのが自分の経験則からくる実感です。

ただそれを、どう表現するかしないか、感じた結果、どんな行動を起こすか起こさないかが、違ってくるだけなんです。

そもそも私はわりと普段から不思議に思うのですが、大人といわれる年齢層の人間が、

「子供ってのはさぁ、、、」

と、まるで自分とは無関係で予想すらしかねる宇宙人の話をしているかのように「対象」として捉えているのを不自然に感じることがあります。

「お前、以前は子供だっただろう?そして子供だった時間は『なかったこと』として消去されたわけじゃないだろうに」

と。

もう少し?例えを変えて言うなら、自分自身が栃木県の出身である人間が、ある時点で上京し、そこからずっと栃木県以外の土地で生活したとします。

そしてあらためてあるとき、栃木県民の県民性についての話を聞いたとき、

「へえー。栃木の人っていうのは、そういう特徴があるんですか?びっくりだなぁ」

と、これまで自分と一切関係がなかった話を聞いたようなリアクションをとったら、しらじらしいというか、不自然ですよね。
栃木出身であることを恥じていて、それを隠そうとしてる人みたいです(←実際そうであることは往々にしてあるのですがw)

まだ、

「あー、たしかにそういう要素はあるかもね。でも~~が~~だという実感はないなぁ。ただ、自分が栃木に住んでたのは随分前のことだから、ちょっと感覚が鈍ってよくわからなくなってる側面はあるかもしれないけど」

などと「以前は栃木に住んでいた、『栃木県民としての顔をもった人間です』という立場から」答えたほうが自然でしょう。大人が子供について語るときも、そういうはずなんです。なのに、そうじゃない人が少なくない印象が私にはあります。

これはもしかすると、「子供だった頃をちゃんと思い出していま、再現する」ということが多くの人にとって、(意外に)難しいことを物語っているといえるかもしれません。

が、自分自身が子供だった頃の感覚と記憶、在り方は、大人になってから完全に消去されて失われるものではありません。

だから、童心に還るというのは、「大人という立場から見た、(自分にはその要素がまったくない)対象物としての『子供』という存在の“コスプレ”や“モノマネ”をする」ことではなくて、自分自身が本当に子供といわれる年齢・状態だったときの記憶と感覚をリアルに甦らせることだと私は捉えています。

そしてそれは、単に子供のマネをするとか、子供じみた行動をとるという演技をすることではないんです。

ちゃんと「童心に還る」のは、存外にスキルが要求されることなのかもしれません。いきなり「はい、童心に還って!」と言われたところで、なかなかできるモンじゃないのかも、と思うようになりました。

だからこそ。

大人のためのレインボーチルドレンがあるんだと思うんだよなー。

ちゃんと童心に還るってどういうことなのか、そしてそれがいかに素晴らしく、自分自身にとって癒しとなる経験となるのか。

……を、体験してほしいんです。インストラクターとしては。

だから私は、単に「はーい皆さん、このセミナー中は、みんな子供の頃に、還っちゃいましょう!」と言って、受講生みんなが赤ちゃん言葉で喋り出して幼稚な行動をとってハイ一丁上がり、というふうにはしたくありません。

じゃあどうやるか。

いま、それをセミナーで掴み取ろうと必死になってるところです。

いいモン持って帰る(はず)だから、楽しみにしててねー!!!

P.S
レインボーチルドレンに参加を検討している人、もしくは「大人がいまさら童心に還ってなんの意味がある」と思う人、「子供」とか「遊び」といった単語を聞いて、しらけた印象を持つ人、うざったいと感じる人などは、

大人は子供よりも優れている。重要な存在だ。
子供は大人よりも劣っている、軽んじられて然るべき存在だ。

という思考パターンがあったら、まずそこを事前にワークしてみてもいいかもしれません。

関連記事
スポンサーサイト