スピ系ブロガーが続々、著者化

してますよね。

ブログを書いて注目を集めて出版社の目にとまって(もしくは売り込んで)書籍の出版にこぎつける、という流れがにわかにヒーラーやスピっ子たちの間で、そしてなにより本を出版する出版社側でメジャーになりつつあります。

ここ最近、書籍化を実現した話題のスピ系ブロガーとその方の著書を列挙してみましょう。

ブログ「僕のアニキは神様とお話ができます」(龍&アニキ・著)
サイン ~神さまがくれた、幸せの羅針盤~サイン ~神さまがくれた、幸せの羅針盤~
(2009/10/24)
龍&アニキ

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サイン2 ~神さまがくれた、幸せの羅針盤~サイン2 ~神さまがくれた、幸せの羅針盤~
(2010/03/11)
龍&アニキ

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あの世に聞いた、この世の仕組み
(雲 黒斎・著)

あの世に聞いた、この世の仕組みあの世に聞いた、この世の仕組み
(2010/03/19)
雲 黒斎

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伊勢ー白山 道(伊勢 白山道・著)
内在神への道内在神への道
(2008/03/07)
伊勢 白山道

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あなたにも「幸せの神様」がついているあなたにも「幸せの神様」がついている
(2009/06/19)
伊勢白山道

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神々の故郷、白山神々の故郷、白山
(2009/10/16)
伊勢 白山道

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いまここ塾(阿部敏郎・著)
いまここ―すべてがうまく流れ出す宇宙の絶対ルールいまここ―すべてがうまく流れ出す宇宙の絶対ルール
(2010/01/29)
阿部 敏郎

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一瞬で幸せになる方法一瞬で幸せになる方法
(2010/02/22)
阿部 敏郎

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AYAのセラピールーム(AYA・著)
私が変わる幸せ★浄化ライフ―捨ててどんどん開運!私が変わる幸せ★浄化ライフ―捨ててどんどん開運!
(2009/12/10)
恒吉 彩矢子

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スピ系、とカテゴライズするのとはちょっと違うけれど、「心の健康」みたいなテーマまで含めるとまだまだ書籍化に成功したブロガーがいます。

★心屋仁之助 公式ブログ 「心が 風に、なる」(心屋 仁之助・著)
人間関係が「しんどい!」と思ったら読む本人間関係が「しんどい!」と思ったら読む本
(2009/10/23)
心屋 仁之助

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ねぎらいの書(リョータ・著)
※書籍の出版が5月のためまだデータなし

いちいち挙げてったらきりがないですね^^;
こうした風潮を察知して、2匹目のどぜうを狙うが如く、
「じゃあ自分もブログを本にして出版したい!」
と考えるブロガーは(表立った現象としては現れないとしても水面下の動きも含めると)指数関数的に増えていることが予想されます。そして事実、以前のどんな時代に比べても、ブロガーの書籍化が実現する可能性と確率はいまが一番、高いでしょう。

では、ブログを書きさえすれば、誰でも本が出せるのでしょうか?

ここで、出版業界にいた人間として、書籍化を行う側の編集者の気持ちについてざっと書いてみます。
もともと無名の一般人として生きていたブロガーを著者として迎えて書籍を出版するのは、出版社の書籍編集者からすると、ある種のギャンブルではある(=もともとプロの作家として有名な人に新たに本を書いてもらうよう依頼するほうが堅実と見なされる風潮がある&無名の人間に書かせる本の企画を社内会議で通すのが大変→危ない橋を渡ったうえに本が売れなかったら社内の信用ガタ落ちになる)のですが、ブログにはアクセス解析やブログへのコメントの盛り上がりなどからある程度の売れ行きが数値データとして予測(PVやコメント数が多いということは大勢に支持されていることの証で、本を出したときに買ってくれる人数が多そうだと見込める)ができたり、文章力はもちろん、ブログ全体から滲み出るブロガーの個性・キャラクター、もっというならカリスマ性やスター性、タレント性といったものも伺い知ることができる点では有利でもあるといえます。

ただでさえ斜陽といわれる出版業界ですし、万人に愛されている有名作家に書かせればそれだけで本がバカスカ売れていくという時流でもありません。今はむしろ、消費者を徹底的にセグメントして、ピンポイントに市場の的を絞ってその1点集中で瞬間的大ヒットを狙うという傾向が主流です。
だから出版社側としては、現在無名だろうがなんだろうが、売れる本を書ける作家には飢えていますし、もしいたら喉から手が出るほど欲しいものなのです。
(ちなみに編集者はヤマっ気が強いわりには臆病で、“この世にまだないものを生み出す系のクリエイティビティ”にそれほど長けていない(すでにあるものを組み合わせて加工するほうが得意な)人間が多いので、『うまくいくかどうかわからない、無名の一般人の書籍化第一弾』に率先して関わろうとはしません。ですが、誰かが大きなリスクをとって無名作家の1冊目のヒットを実現すると、ハイエナのように?突如としてその作家の周りに群がり、1冊目と似たような企画をもちかけて『2冊目を出しませんか』と口説きに入る傾向が強いですw←そして2、3冊書いて徐々にその著者の本が売れなくなってきたorその著者の存在や著書の世界観が手垢にまみれて新鮮味がなくなって飽きてきたら、甲斐性のない男が付き合っている女に愛想を尽かして連絡をとるのをやめて自然消滅にもっていくが如くに静かに消えていきます)

ですが編集者もプロなので、出版に値しないクオリティの著者やその文章を書籍化してまで少しでも売上を稼ごう、とは思わないものです。それに、本を出版するには、その印刷コストや人件費、広告宣伝費なども含めて、初期費用がけっこうかかります。あまりにも本の売れ行きが悪くて初期費用が回収できず赤字になるのは本の出版企画として失敗で、「最低でも収支トントン」でないと編集者の立場も、利益を出せなかった出版社自体も先行きが危うくなります。
(そのためか、最近は特に1冊目の場合、自費出版ではなくて商業出版であっても、『印刷代などの初期費用+出版した本○(←○のなかには数字。数十~数百が相場)冊を著者自身が支払うケース』が多いです。このケースの場合、1冊目の莫大なコストの自己負担に耐えられるかどうかが、無名作家が未来の栄光を掴めるかどうかの“博打”になります。←逆に言うと、初期費用さえ著者が自己負担すれば、わりとあっさり出版してくれる商業出版社は少なくないので、『とにかく1冊でも本を出して“プロの著者”になっておかなくては!』というに人はおおいに検討する価値のある選択肢です)

そんなわけで書籍編集者は、
「1人でも多く、売れる本を書ける作家を発掘したい。が、失敗は犯せない。だから誰でもいいわけじゃない。そして、目を通したブログ&『自分のブログを本にしてください』と売り込んでくるブロガーの9割以上は“使いものにならない”から著者として迎えられない」
というジレンマを慢性的に抱え続けています。


上記の実態をふまえて、そして実際に書籍化を実現したブロガーのブログを見ると、以下のような共通点が見いだせます。

読者が多い(1日あたりのアクセス数が最低でも数万件単位で存在する)
人脈が広い(実際に人と会う“リアルな”人脈と、ネット人脈のいずれかもしくは両方が充実している。リアルな人脈とは、そのブロガーが人気者で、たとえば講演会やセミナーに大勢の人が詰めかけるなど。あとは、すでに有名な誰かと親交が深いとか(←本の帯に“あの○○氏も絶賛”などと書いてアピールできる)。ネット人脈の場合(←これがブロガーの器の大きさを左右するといっても過言ではないのだけれど)、ミクシィなどのSNSで大勢の人間とつながっている&ブログエントリーに膨大な数のコメントがつくなどの反響がある、またリンクが多くのWebサイトから貼られている(←もしかしたら最重要項目かもしれない)などを指す)
展開する主張やテーマ、作品としてのブログエントリーに一貫した(←これ重要)「そのブロガーならではの魅力(Only one感とでもいうのか)」がある
更新が頻繁で一定期間以上、継続的に行われており、ブロガーの「持続力/馬力/アイデアとネタの豊富さ」を感じさせる(←本を書くとなると内容の校正や推敲による加削除といった面倒な作業がいろいろ発生しやすいし、“一発屋”で終わらず2冊目以降も創作してくれそうかどうかは編集者にとって重要)

だから、ものすごく大雑把に言うと、

みんなが興味を持ちそうなテーマをその人ならではの切り口でor他の誰もやっていない&考えつかない面白いネタをテーマに、その路線から外れることなく一定以上の作品としてのクオリティを保ちながら頻繁にブログエントリーを投稿するということを一定期間以上続け、膨大なアクセス数を恒常的にキープ(できれば右肩上がりが望ましい)し、多くの(できればアクセス数が多い有名な)Webサイトからできるだけ多くリンクを貼ってもらい、ブログのタイトルやブロガー名を検索サイトで検索したとき検索結果の1ページ目が全部、自分のサイトのページ(へのリンクが存在するページ)になるくらいSEOで実績を挙げたうえで、出版業界にコネがある人間や実力のある出版エージェントを通して有利な形で出版社にアプローチし、魅力と説得力に溢れた出版計画書やプレゼンで編集者(できれば編集部全体)を魅了して巻き込む。
(そして、第一刷分の費用の自己負担をせざるをえない条件になったとしても、きっちり払えるだけのお金を持っておく)


と、ブロガーは本を出せることになります。

そして、(ここでは述べません&述べろと言われてもできませんが)『そうなるための具体的なアクション/とるべき手段』というのもある程度、メソッド化してきましたよね。
ブログのタイトルのつけ方に始まって、見た目のデザインをどうするか、フォントの使い方のコツやエントリーの更新頻度、記事をアップするタイミング・時間帯、1つのエントリーをどのくらいの長さにするか、自分のエントリーについたコメントに対して挨拶回りをする、有力ブロガーのエントリーに、自分のブログへのリンクを貼ったうえでコメントする……etc。
私自身、そういう手法を知り尽くしたわけではありませんが(知り尽くす気もないのですが)、そうした「ブログヒットの法則」とでもいうべき理論&実践の体系が確立してきつつあるのを感じています。
これをやれば成果が上がる、という手法や理論がある程度でてきていますし、実際にそうした手法を使ったときに反響を返してくるネット市場のトレンド、もっといえば「傾向と対策」といったものも以前よりくっきり、現れるようになってきました。

私が言いたいのはここです。

傾向と対策で人気が左右される。
これって、美人コンテストの審査基準に似ていると思いませんか?

つまり書籍化を目指すブログというのは、ただ単に「ありのままの素の自分をやりたいように表現」すればいいというものではなくて、あらかじめ決められた審査基準を知り、それを満たすように準備して、パフォーマンスとしてアピールしなければいけないということです。

ブログという舞台の上で、一貫した役柄のキャラクターを演じ続け、うっかり素の自分を観客に見せるような失態を犯さない

ことが肝要なんです。

「でも、書籍化を実現したブログの著者ってわりと誰でも、どこにでもいる平凡な、謙虚でちょっと弱気な、でも健気で、主張するときには言うべきことを一貫した論旨で頼もしく展開する、良い人だよねえ?それって“素”じゃないの?」

と思いますか?

それが、そのブロガーが演じている役柄なんです。
決して、(どれだけ素のように見えても)素じゃないんです。
もしくは、素の要素を出すにしても、出す段階で「成型」してるんです。そこで用いる「型」がつまり、「役柄(のイメージの範疇から出ていない)」なんです。

そして、書籍化に成功しているブロガーが“わりと誰でも”そういう路線なのは、“そういう路線の売り方が流行(はや)るトレンドだから”です。

志村けんというタレントがいますよね。彼をものすごいバカだと思う人が今、どれだけいるでしょうか?
最近の志村けんを見ている人だと、「温厚で紳士的なイメージ」が強いのではないでしょうか。
でも、今から20年ほど前の、彼がコメディアンとしてドリフターズのボケ役を買って出て活躍していた全盛期時代はどうでしょう。
「面白いけれどバカばっかりやってるどうしようもない人」というイメージが強くありませんでしたか?
これは志村けんが本当に昔はバカで、今は賢くなったということではないと思います(←もちろん、年齢を重ねるにつれて備わる知性などはあると思いますが)。
“タレントとしてそういう売り方(という戦略)をした”んですよね。

志村けんのような大御所までさかのぼらなくても、今はお笑い芸人の売り方として、

「最初はとにかく汚れでもバカでも嫌われキャラでもなんでもいいから大勢に印象づけてどうにかして名前を売る。名前が売れたところで魅力をアピールして人気を稼ぐ。人気があがってきたらバラエティの司会などにすみやかに転向して低俗なイメージを払拭してタレントとしての格を上げてブランド力をつける」

というセオリーが確立していると思いませんか?

そして、そういう芸人を迎える一般大衆も、デビューしたてでバカやってる芸人を見て「バカだなー」と笑うけれど、内心はその人がバカじゃないことを見抜いてますよね。

そういうキャラの仮面をつけて、“そのタレントという役柄”を演じている

とわかったうえで、見ていますよね?

ブログの書籍化にも、まったく同じことが言えると思います。
お笑い芸人が実は頭が良くても、タレントとして成功するために最初はバカキャラを通すのと同じで、書籍化といういわば「タレントとしてのブレイク」を目指すブロガーに、素なんて求められていないんです。

あくまでも、『確固たる&魅力ある&価値ある“コンセプト”』に裏打ちされた「作品」としてのブログ

が求められるんです。

もし、コンセプトや内容が弱い場合は、
「弱い内容であっても出版したら必ず売れるという保証(=著者が多くの弟子・ファンを持っており、どんなにくだらない内容の本でも“その人が書いたものでありさえすれば一定以上売れることが確約されている”など)」
といった代替アピールが欠かせません。

「自分のブログが書籍化されたらいいなー」
とほんのわずかでも思う方は、このへんをチェックしてみることをおすすめします。

いわば、「ブロガーとしてのプロ意識」とでも呼ぶべきものを自分がどれだけ持ち得ているか&ブログ上にその心意気が作品として事実上、反映されているかが肝なんです。

そういう準備が整っていないうちに出版社に下手げに売り込んでしまったらそれこそブログ書籍化の夢は断たれます。
えてして多忙な編集者が、無名のブロガーのブログを見るのは1度。それも、せいぜい3~5秒、ざっと目を通す程度です。そこで編集者の興味を惹き、じっくり目を通す気にさせるかどうかなんです。
その
「たった1度の、3~5秒ざっと目を通す程度の審査」
に受かる自信がないブログだったら、売り込む前にちゃんと「準備」すべきでしょう。
もしかしたら全身整形(ブログタイトル変更、デザイン変更、プラグインなどの要素の入れ替え、著者のプロフィール推敲、書籍化に関係ないor不利なエントリーの削除etc)が必要かもしれませんね。

あくまで個人的な主観ですが、私はブログのイケてる度合いというのはとりあえず、イケメンor美女コンテストと同じように審査してみるといいじゃないかと思っています。
外見のカッコよさ(デザインやカラーリング、ブログタイトルなどが魅力的かどうか、ブログの趣旨やキャラ、視点が一見して把握できるか)
中身の充実度(ハッタリだけのカラッポは要らない)
中身のカッコよさ(いくら良いこと言ってても、雰囲気的に(意図して演出しているわけではなく、不意に出てしまっている)ダサさやイタさが出ちゃうとアウト)
人に好かれそうな感じかどうか&友達の多さ(友達が少なそうな雰囲気、事実(=コメントの少なさなど)があると、近づく気が褪めるでしょ?)
を基準に、総合的に見るんです。
すべての要素が高いところでバランスとれているか、それとも欠けている要素をカバーしてありあまるほどに一点突破の魅力が大きいか。
人気が出るのってたいてい、このどちらかですよね?
まさに人間の魅力と同じだと思いませんか。
「なんとなく中途半端」がいちばん得るものが少ない、というw

書籍化を目指さないにせよ、そもそもブログを立ち上げる時点で、それがほんっとに個人のテキトーなつぶやき用のものでないなら(たとえばヒーラーである自分の窓口サイトとして活用するなど何らかの目的があるなら)、
・どうなっていればその目的にいちばん適う、理想のブログになるか
・理想のブログと現状にギャップがあるとすれば、その差はどうすれば埋まるか
を最低限、考えるようでないと、いずれにせよ
「(ブログをつくる&書くという)骨折り損のくたびれ儲け」
に終わりますよ、という厳しい一言で〆。

P.S
先日、日本のスピリチュアル業界について研究する学者の方からインタビューを受けたとき、
「あなたはブログを書籍化しようという意図・野望はありますか」
と聞かれ、不謹慎にも大爆笑してしまいましたw
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