東京都北区赤羽

ハマってしまった……。
漫画タイトルのとおり、赤羽在住の著者が経験したことを、店舗や人物など実在のものとして描くギャグテイストのコミックエッセイ(←という括りでいいのかな)。

表紙を見れば写真があることでわかるように、登場する人物やお店、場所などがすべて実名・実在です。
メインとなる人たちには許可をとっていますが、盗撮画像なども堂々と掲載されていますw
なんと連載していた携帯漫画サイトの編集者ともども「訴えられたらそのとき謝りましょう」という覚悟だそうで。

赤羽=変な人・場所がいっぱい

というコンセプト?で、常識では考えられないような奇人変人、変な店、場所、現象が満載。
(けっこう心霊現象についても写真つきで載っているので、夜中に一人で読まないほうがいいかも)

そこまで表立って謳ってはいないけど、著者が霊感体質ぽく、いわゆる心霊体験ネタが豊富ですw
(第2巻の表紙に写ってるダンディな男性も霊能者体質という触れ込みで描かれます)

ダメな人といえばそれまでだけど、きっちりかっちりせせこましい規則でがんじがらめになって生きるのが窮屈に感じる人などは、(田舎でなく東京都なのに!)こんな生き方・在り方アリなの!?という安堵?みたいなものも感じるかも。

私は漫画を読むのが苦手なのですが(PCと似た情報処理をするのか、活字のほうが受け取る情報量が少なくてスムーズに処理できる。画像になると、絵の細部まで情報を追ってしまい、目も頭も、活字を読むのより凄まじく疲れる)、それでも読破してしまいましたw

最初の版元、Bbmfマガジンから出ている紙の本は品薄で、アマゾンでも中古品を買うしかないぽい状況。



ただしKindle版(電子コミック)は普通にダウンロードできます。


このあと版元を双葉社に移して改めて連載した漫画は以下のとおり。



いまは未収録分などを収めた、増補版が出ています。



個人的におすすめなのは、Bbmfマガジン版の第8巻。
この漫画を描くきっかけを、著者自身の実体験で赤裸々に描いています。
胸熱。

売れなくて自殺を度々考えていたというほどの著者がいろいろ苦労した話も述べられます。

漫画家として収入がまったくなくなってしまったとき、自殺かバイトかというほどの究極の2択でバイトに走ったことなども述べられて、なんか考えさせられます……。

(私はこの半年間、思うところあって出版社で、バイトではないですが業務委託で編集者として働いてましたが、それは本業で食えないからではなかったので、この『自分の職業アイデンティティを自ら脱落宣言して手放さざるをえない苦渋の決断感や屈辱感』は、なかったんです。でも、明日は我が身だしなァ……)

個人的に印象的だったのは、便利屋さんのエピソード(いまは赤羽を去って高円寺に拠点を移しているらしい)。
若い頃に自転車に目覚め、世界各国で自転車レースにハマり、好きなことをやり尽くして。60歳を超えて「このトシじゃどこも雇ってくれないから」といって便利屋を始め、ホームレス同然の生活を送る、という(凄絶な)もの。
普通に考えたら人生の落伍者、ああなったらオシマイだ側なのでしょうけど、本人がすごく楽しそうに生きてることとか、負け犬感が皆無なのがジーンとくるような。

ホームレスって、子供の頃は普通の家庭で生まれ育ち、どちらかというと頭脳や野心などが普通の人より傑出してることが多いんだよなと(ホームレスについての実態調査を見たり、過去の経歴をホームレスの方たちから聞いて)思います。
人生設計力というか、設計したとおりに我慢をしてでも生活や行動を一定範囲内・一定水準以上のところに収めるといったことができない・弱い・拒絶や放棄をしたという場合のほうが多いんですね。それを雑に表現すると「社会不適合」となるのかもしれませんが、詳細を見ていくと、「結果としては不適合なのだけれど、その原因も不適合さも様々」で、「とにかくダメな奴だからここまでおちぶれた」という安直な見方は的外れだったりするんですよね。。。

この漫画に出てくる便利屋さんも、若い頃に好き勝手な放蕩生活を送ったツケと言ってしまえばそれまでかもしれないけど、自分で稼いで、ホームレス同然とはいえ自活してるわけだし、何より60歳を超えてそれをしているっていうのが、もう想像の域を超えてしまっていて。。。

私自身、自由業的に生きている身なので、考えさせられました。
この便利屋さんにしても、作者である清野とおるさんの売れない時代にしても。

ちなみに漫画で鳴かず飛ばすすぎてアレだった時期、ブログで売り込みとばかりに赤羽について表現しまくっていた時期があるようで、そのブログは今もあります。

清野のブログ

このブログがきっかけで、東京都北区赤羽の連載が決まった(ことで運命が好転した)というから、世の中なにがどうなるかわからないですね。。。

まさに栄枯盛衰。
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