はてしない物語

私の敬愛するミヒャエル・エンデの代表作のうちの1つです。
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はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)
(1982/06/07)
ミヒャエル・エンデ

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※後述の文庫本版もありますが、文字があかがね色の2色分けされているバージョンの書籍で読むことを、強く強くお奨めします。
ネバーエンディング・ストーリーという名前で映画化されたので、知ってる人も多いのでは。
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ネバーエンディング・ストーリー エクステンデッド版(初回限定生産) [Blu-ray]ネバーエンディング・ストーリー エクステンデッド版(初回限定生産) [Blu-ray]
(2013/09/04)
ノア・ハサウェイ、バレット・オリヴァー 他

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ちなみにエンデはこの映画の原作として自分の名前を使われたことに憤慨し、相当な費用と年月をかけてまで裁判を起こしますが負けてしまっています。

憤慨した理由は「自分の作品を原作として映画化したと認められないから」で、とりわけ結末部分(いじめられっ子だった主人公がいじめっ子をゴミ箱に入れていじめ返す)に大々的に納得がいかなかったようです。コレジャナイ感満載だったんでしょうね。
(この映画は続編として2、3も制作されていますが、完全にエンデの作品を離れ、オリジナルストーリーになっています←原作から、エンデが何を言いたかったのかを多少なりとも掴めた読者は、あまりの軽薄な脚本に、はらわたが煮えくり返る心地がするかも。私も泣きたくなりました)

そんなこんなで、映画のイメージで原作を読むと、期待外れになるかも。

特に後半部分。

(注:文庫本では上下巻に分かれますが、ちょうど下巻に相当する部分です)
はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501))はてしない物語 (上) (岩波少年文庫 (501))
(2000/06/16)
ミヒャエル・エンデ

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はてしない物語 (下) (岩波少年文庫 (502))はてしない物語 (下) (岩波少年文庫 (502))
(2000/06/16)
ミヒャエル・エンデ

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前半はまさに「児童文学の王道!」とばかりに、少年のめくるめく冒険譚、といった体裁なのですが、(実はこれが伏線というかで)そこで高まった期待、そのままクライマックスに向けてどんどんストーリーが盛り上がって愉快痛快大成功!と当然いくよね的な予想が、下巻では完全に裏切られます。

後半は、愉快どころか不愉快、痛快どころか悲痛、成功どころか「なんでそうなるの」式に、見事なまでに失敗続きで、悲惨な転落の一途を辿ります。
(冒頭に述べた映画版ではまさにこの下巻の転落&失敗人生の部分をまるまるカットして、前半の盛り上がりのまま目的達成ハッピーエンド!というふうに、端折(はしょ)っています)

雑に浅はかに言っていいなら、上巻が二元性の光の部分を描写しているとすれば、後半は闇の部分を描写していきます。
(出だしと結末がその両方というか、現実世界の話なので光と闇が太極図のようにないまぜになった在り方をしています)

これは、臭いものにはフタをして、世の中や自分自身の汚い部分を見て見ぬフリして「すべては愛〜♪」とうそぶいて現実逃避するタイプの人には、ものすごくつらいかもしれません。
(実際、物語自体が長いということもあるのでしょうが、後半に差し掛かってのどこかしらで読むのを挫折して、読み終えることができない人が多いようです)

できれば見たくない部分、そもそも世の中にそんなものがあるということを知らずにスルーしたい部分を、これでもか!これでもか!と投げかけてきます。
(親御さんの中には、子供にその部分を読ませたくないからこの本を読むのを禁止?する人もいるとかいないとか)

でも私は後半部分にこそ、この作品の真価があるなと感じます。
(特に特に象徴的なのは、魔女サイーデ。わかりやすく悪の権化として現れたかと思えば、峰不二子ばりの狡猾さでバスチアンに媚びて取り入り、バスチアンを誘惑して不遜な独裁者に変え、いつの間にか美味しいポジションをゲットして味方ふうに動き、それでいて最期は『手短かに語られ』る体裁で、まさかのあんな不可解な謎の幕引き←個人的には、ここが一番堪えました)



この本の内容について、「いわゆる教養・嗜みとされる文化的なものを良しとする、(テレビはNHKしか子供には見せませんとか言っちゃう教育ママ気質の人を親に持つ)人」と話し合おうとすると、みんな後半部分についてうろ覚えだったり、

「素晴らしい文学作品だよね♡」

的な、ほんとに上っ面の体裁だけつつがない穏便な返答しか返ってこず、悶々としたものです。
(みんな、思考のブロックとされるものを抱えていると、まともにこの本を読めないんだろうなぁ……←と書いてる私さえ、はたしてどこまで読めてるうちに入るのか甚だ怪しくはありますが)

あるいは、表面上は褒めておきながら、内心

「っつったってしょせんはファンタジーだろ。児童文学だろ。ガキ向けのおとぎ話だ。たいしたことない、くだらない」

と思っている様子がありありと伺えたり。
(事実、エンデは生涯を通じて、”児童文学”作家と呼ばれることに一貫して否定的で、いわゆる大人向けの文学を書く作家より下に見られる(&作品自体の価値も軽んじられる)ことに対して熱弁をふるっていましたね)

まだ読んだことない人は、挑戦してみては。。。

P.S

スピリチュアルなワークで、クリアリングに取り組んでいる人は、はたしてこの本をどこまでちゃんと(眠くならず、不快に思って投げ出すこともなく)読み切れるかを、1つの目安にしてみてはいかがでしょうか?

なーんてね。
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