俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方

読みました。
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俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方
(2013/04/03)
坂本 孝

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言わずもがなかもしれませんが、ここ数年で急激に伸びている外食チェーンです。

それこそミシュランで星を2つも3つも獲ってしまうような、超高級料亭・レストランでトップクラスの地位にいたシェフたちを集めて、そうした高級店の何分の一、ともすれば1/10以下の値段で料理を提供するという、業界の常識をあらゆる角度からぶっ壊した、まさに「進撃の巨人」ですw
(そりゃあ、同業者のライバルからは、妬まれもするだろうし、業界の品位や伝統を踏みにじる悪党にも見えるだろうし、単純に脅威にも感じられるだろうなぁ……)

なんとブックオフの創業者が社長だったのね。
(知らなかったのかよ)

この本では、著者である坂本孝さんが自らの半生を自叙伝ふうに綴り(読者に向かって自分が何者であるかを表明し)、そこからどのようにブックオフを立ち上げ、一大フランチャイズ企業として成功させるに至ったか(なぜフランチャイズなのか、またフランチャイズとはどうあるべきか、など経営哲学も語られます)、そして「一生遊んで暮らせる金」を手にしてなお、なぜまったく未経験の飲食業という分野で新たに起業するに至ったか、またそれをどのように成功させていったか……が、赤裸々なまでに語られます。


著者が稲盛和夫氏に傾倒しており、稲盛和夫氏が主宰する盛和塾で「利他の精神」をはじめどのような経営哲学を学んだか、またブックオフの醜聞騒動に際してどのようなお叱りを受けたかなど、まさにぶっちゃけ全開で包み隠さず、経営者の本音を綴っている。

そしてなにより、本の副題にもなっていますが「ぶっちぎりで勝つ競争優位性」とは何なのか、どうしてそこに着目して勝負しようと思ったのかが述べられます。(←これ、マーケティングやってる人は必見のモデルケースかもね)



幼稚な感想ですが、読むうちに胸がスーッと晴れて行くような心地で、ある種の「経営者のお手本」を示してもらえているような心地になりました。

また同時に、(これはたぶん著者も、わかったうえで書いてるのだとは思いますが)経営者の(ある意味、スケールが大きすぎて偉大すぎて?楽観的すぎて?視点が高すぎて?、組織の末端のギスギスした従業員にはその真意が理解されない)思惑が、かえって「ブラック企業だ、あの社長は悪徳だ」といった揶揄・批判に繋がってしまうのであろうなぁという様相が見えたような気もして。
(この本で著者が師と公言している稲盛和夫氏が創業した京セラだって『元祖ブラック企業』と叩かれる始末ですもんねぇ)

(ブックオフが、出版物の再販制度や知的財産権云々を侵害する悪しき新業態だ、と諸悪の根源のように一部では言われていることも、私はいちおう知ってはいます)

素子「こういう事態の中で先導者の役割は壮大で不安に満ちている。多くの者を導かなくてはならない立場においては時に状況に応じた独断を迫られる。その事を彼等も分かってくれているだろう。」(攻殻機動隊2nd GIG最終話より)

みたいなことって、やっぱり、ありますもんねぇ。
(で、不満を言って会社や社長をけちょんけちょんに貶し、非難する従業員に『じゃあお前がやってみろ。お前の言う、今の会社・社長の悪いところを全部払拭した、素晴らしい経営の形を見せてくれ』といったところで、やらない・できないことがほとんどでしょうし)

これは何も一従業員を軽んじるというより、そういう構造的な問題は、カイシャをやるからにはある程度以上は、避けられないことなのかなぁとも思ったりして。

ただ、本のなかで著者は「従業員満足度」をもしかすると顧客満足度よりも優先順位を高くしていると述べているとおり、カイシャは従業員が主役であり、株主であり(従業員にストックオプションを付与し、会社が上場した暁には億万長者になれるようにしてあることにも触れられています)、職場という舞台を演じる役者なのだというスタンスで経営なさっているそうです。
(これが本のための綺麗事、あるいは本人も自分ではそう信じ込んでいるが現場の従業員からすると理解されない独りよがりなのかはわかりませんが)

まぁでも、

引き抜き(ヘッドハンティング)という卑怯な手段は決して使わず、あくまでも料理人のほうから人材紹介会社を介して応募してきた人だけを採用する

というスタンスで、ちゃんと一流のキャリアを持った料理人たちが続々と集まってくるんだから、そこまで絵に描いた餅というわけでもないような。
(著者いわく、自分が煽動しているわけではなくて、従業員たちのほうが『こういう会社にしていこう、まだここまで売上を伸ばせるんじゃないか?』と熱く野心に燃えている様子だということが述べられますが、もし本当なら素敵なことですよね)

日曜日を定休日にしているとのことですが、上場を目指す新興の飲食業企業において「日曜日しか休みがない酷い会社」と見るか、「年中無休じゃなくてきちんと日曜日を休みにしているのはすごい、えらい」と見るかで、また見え方が変わってきますよね……。



著者は自分のことを「会社に勤めたことがない、ワガママで嫌な性格(だった)」と自己分析もしていますし、経営者となればその力量は「善い人だとみんなから言われるかどうか」ではなくてビジネスでの実績で測られてナンボなわけですし、もし誰かの気分を害するようなことを多少以上やらかしたとして、それだけで「最低の悪人」と断じるのもどうなんでしょう、とは思いますよ私。(もしほんとに犯罪的悪人ならば、きちんと司法の手に委ねて裁いてもらえばいいわけでしょうし)

成功者を、成功者だというだけで妬んで悪く言おうとする下品なスタンスの人はなにより、何も学べない貧しい人生になることを自分で宣言してることになるわけですからご自由に〜、とも思いますけどw
(まったく別の業種で、1つの人生のなかで2つも会社を上場させる人間は、これまでの日本では著者以外に現れていないわけで、それだけ稀有な実績ある人をけちょんけちょんに貶して『何一つ良いところがない、参考にできる余地がない』と言うとしたら、その人のほうがどんだけなのよ、って気もしますし。さぞや素晴らしい能力と実績をお持ちの方達なんでしょうね)
⇒ってべつに私、この著者のファンでもフリークでも信奉者でもありませんが
⇒でもねー、成功者とか良いもの、素晴らしい優れた物を、なんの根拠もない無責任な罵詈雑言で貶しまくるのって、なにものにも代え難い娯楽ではあるんだよね〜。セックスなんかよりも何万倍も楽しいし快感だわ。ハマる人がいるのもわっかるぅ〜!!どうせ全力を尽くしてもなんにもうまくいかず夢が叶わない人生なら、せめて成功者をけちょんけちょんに貶す快楽くらいは味わいたいところだもんねぇ〜?



本の執筆中?に倒れ、入院してからは、病室から経営の指示を出している、というくだりには、安直だけどぐっときたなぁ〜。

そこで初めて著者の年齢が72歳だと明かされ、「えっ!?」という驚きもあったりして(なんとなく、会社をこれから上場させようなんて意気込んでる話をしてるから、勝手に40〜50代かと思い込んでたので)。

ブックオフで大成功を収めた後、はじめはハワイでゴルフ三昧の余生を送ろうと思ってたらしいのに。

なんか……すごいね。。。

あ、あちこち話題が逸れましたが、一読の価値アリかもです。


ぜんぜん本題とは関係ないんですけど、この本も読んだんですよ。
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諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉諦める力 〈勝てないのは努力が足りないからじゃない〉
(2013/05/30)
為末 大

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主旨としては、人間の人生には無限の可能性なんてないし、勝者になれるのはほんの一握り。残りの圧倒的多数である敗者が希望にすがって努力なんかしたって、才能がないなら無駄。だから自分がその一握りの勝ち組に入れるだけの才能がないとわかったら諦めて、そんな自分でも勝てるフィールドで勝負して人生の果実を得ようよ、という指南本。

本題で述べた「俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方」を読んだ後にこれ読んじゃうともう、なんていうか……。

なんていうか……。

涙で前が見えない!!w
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