身代わりに成功してくれた同級生との再会

高校の頃、この世を牛耳っている霊界の回し者から、もろもろスカウトされるのを感じ取りました。
(この世の中は、一見、生きた人間が動かしているように見えて、霊界の『大御所』とでもいえるドンたちが、生きている人間たちに憑依するような形をとって動かしています。で、そういう厄介な霊たちが憑依して利用するのに有望な人間たちに、あの手この手で迫って来るものなのです)

成功の権利行使予約券、とでもいえそうな霊的エネルギーを配りにくるんですね。
私の場合は、音楽家として成功する券(←ほんとの紙切れじゃなくて、エネルギーの塊を例えとしてこう表記しています)、官僚になる券、そしてアナウンサーになる券をチラつかせるスカウト霊たちが来ました。

「この券が欲しいかい?望めばあげるよ?ただし、言うことを聞いてもらうよ?」

という魂胆が私の場合は見えていたので、冷めた視線でフーンと受け流し、いちばん興味のあったアナウンサーの券だけをもらうことにしました。

(よく就職で『○○社に受かる人、落ちる人』みたいなことが言われますが、誰もこの、霊たちの計画とそれによるスカウトに本人が応じたかどうかについては述べていないですね。まぁ当然っちゃ当然か)

そしたら、本格的にピアノを習ったわけでもないのにショパンの練習曲などをスラスラ弾けてしまっていた謎の才能がパタリとなくなり、学校の勉強(理科と数学)をやる気がなくなり学習効率もガクンと落ちました。
(その頃、漠然とした将来リーディングで、官僚になる道を選んだなら訪れることになるのであろう、公務員官舎で家庭を築く自分の姿が見えて、若かった私はゾッとしました。そのあまりの平凡な在り方に。世間一般よりグレードもステータスも高い生活と安定感の魅力に逆らえず、冒険や危険をおかすなど到底できないほどに牙も爪もなくした自分がいました。上流中流下流といった社会のヒエラルキーの上のほうに自分がいられるからと笑顔で野心を押し殺し、これが一番よい生き方なのだと四六時中、自分で自分に言い聞かせて洗脳し続けるような有様に、吐き気がしたものです←これは官僚という生き方や職業、公務員という在り方自体を貶しているのではありません。私には合わないだろうな、もし無理くり適応したつもりでそういう生き方をすることは可能でも、そんな自分を良いと思えないなというだけです)

逆に、訛りがなくなり、早口言葉もなんのその、ルックスにも磨きがかかり、アナウンサーになるならうってつけ!という感じに自分が変化していくのを感じました。そしてアナウンス研究会目当てで受けた大学に合格し、入学後は光の速さでサークル登録へ。

ところが、大学に入学してアナウンス研究会に所属した私は、そこにうごめく人たちのミーハーすぎるチャラさと、本音と建前のギャップがすごすぎて人としてぜんぜんマトモに信用できたもんじゃない有様にうんざりしました。
(なかには、後にB放送アナウンサーになったA氏のような、会った瞬間から『あ、この人はちゃんとしてる。将来プロのアナウンサーになって活躍する人だ』と直感した同級生もいましたが)

そのうち、自分がもらったアナウンサーの成功チケットを行使した場合に自分が呑まれていくであろう、「ギョーカイ」のエネルギー組成が漠然と感じ取れるようになり、それを私はおぞましいと感じてしまったのでした。結局、華々しい成功と報酬という目くらましに右往左往するなかで、実のところは使い捨ての人形として利用されてしまうのだなという感覚がありました。

不器用に健気に生きるふうをとってその実は狡猾で計算高い自分の内面が、メリットよりもデメリットが多いかもしれない、このアナウンサーの成功チケットを手放そうと思い始めたのは、大学に入学してから1ヶ月もしない頃でした。

その頃になると、サークルの面々についても多少の付き合いのなかで「あー、この人はアナウンサーになりたいとか言ってるけど、無理だな。そういう道に続いて行く未来の可能性が、見えないもん」というアタリがつくようになり、そのなかでもひときわ、クセがあるというかちゃらんぽらんというか、まぁロクなもんじゃない有様の同級生がいました。
一言でいえば詐欺師。嘘をついて騙して女と寝てはすぐ捨てて泣かせるタイプで、かといって器が大きい感じもせず、ひたすらせこいコソドロのような意地汚さとみすぼらしさがある人間でした。

「コイツだ」

私の潜在意識はそいつに狙いを定め、そいつが過去生などなどを通じて持ち越していた、「エネルギーを無断で奪う」サイキック妖術を自分に対して使わせるよう、しむけたのです(←どっちが詐欺師として悪辣なのかわかったもんじゃないですねw)。

わざとそいつを煽って「おまえなんかたいしたことないよ」と対抗意識に火をつけ、実力の差をなにかと示して(議論して論破してグゥの音も出ないようにさせて白旗あげさせることが多かったです)、私に対してすごいと思うよう芝居を打っていったのです。

そいつ本人は顕在意識で妖術を使うのではなく、無意識に発動する感じで「エネルギー強奪」技を使うパターンだったので、私は相手の潜在意識が

「コイツの才能だか能力だかのエネルギーが羨ましい!俺には無い!だから奪ってでも欲しい!奪うしかない!」

と思うように教育して誘導したのでした。

で、ある日、決定的な出来事(表面上は相手が私に口喧嘩を迫ってきて、私がわざと負けるという演出をしたのです)が起きて、その瞬間に相手の妖術が発動し、私が持っていたアナウンサー成功チケットを奪わせることに成功しました。

顕在意識ではガッカリし、潜在意識ではニンマリした私は、あまりのショックで早々とアナウンス研究会から姿を消します(だってアナウンサーになる未来を自分から捨てたわけだし、もうそこに残る理由が見当たらなかったのです。でもってルドルフ・シュタイナーの著作やらにハマっていき、ミヒャエル・エンデとも親交があるK教授との縁もできて、学校の勉強なんかそっちのけでアカシックレコードにアクセスしまくる日々……と、着々とスピ的な道へ精進する方向転換をとったのでした←いま思うと、呆れるほど計算高くて用意周到だなぁw)

就職活動の時期が終わり、誰がどこへ内定したという噂が聞こえてくるなかで、自分がチケットを奪わせた相手が、某地方局のアナウンサーに内定したと聞き、吹きました。

私は私で地味~に、某政府系金融機関で腰かけリーマン生活を始めていったわけですが、たまにインターネットでそいつが就職したテレビ局のホームページを開き、アナウンサーのインタビュー動画などでそいつのパッとしない様子を眺めていました(←意地悪ねー)。

みるみる生気を失って、気力のなさと期待を裏切られた絶望のようなものを必死で覆い隠して笑顔をとりつくろうそいつの様子を眺めるのが、何より愉快でもあり、もし自分があのままチケットを手にしていたら……と思うとゾッとしました。



はい、前置き終わり(長っ!)。

もういい加減30歳を過ぎてヒーラーとして独立し、もうそいつのことを思い出すこともほとんどなくなっていたつい先日、路上でバッタリ、そいつと出くわしました。
(連休中の新宿伊勢丹前。どうやら休みをとって東京に出てきたらしい)

お互い10秒くらい硬直してしまい、気まずいような、懐かしいような複雑な心境でした。

その、永遠のように長く短い沈黙の対峙の間に私は、そいつの「あんまりな様子」を思考パターンやエネルギー状態まで含めて、痛いほど感じ取ってしまっていました。

もともと器量がいい造作ではない顔に、おそらくお金をかけているのであろう人工的なツヤとハリ(高級化粧品&注射各種?)。
そして一目でわかる、ヒゲの完全脱毛っぷり。
もうこれだけで痛々しさ全開なのに、「おのぼりさん」全開の、気合いを入れたファッション。

「あんまり気合いを入れすぎても田舎者っぽいし、かつては東京の大学に行ってたんだし俺だってそれなりにわかってるつもりなんだぜ」

という計算が見事にアンバランスに大失敗した感じの、どこを目指しているのか本当によくわからないド派手なギンガムチェック(しかも1つ1つの四角が便所のタイルなみにデカくて、裁縫が下手な主婦がやっちまったパッチワークみたい)のハーフパンツは、いくらマスコミ業界にいるとはいえ36歳の非イケメン男子(つかオッサン)が着るにはあまりにハイリスクローリターンなチョイスでした。

そしてなにより、思考の変遷!

会った瞬間、最初に来るのは驚きと懐かしさ。
でもお互い犬猿の仲だったし笑顔で声をかけるのも、という自制がすぐ次にきて。
それから「あぁ、コイツはアナウンサーになれなかった負け組なんだな」という傲然とした優越感が頭をもたげ。
でも夢にみたアナウンサー生活と実状のギャップで、ほんとはもうアナウンサーなんかやめたくて仕方が無いつらさもこみあげる。
俺が間違っていたのかな、アナウンサーになんかなれなかったコイツみたいな生き方をしたほうが、幸せだったのかなという自嘲と呻吟。
そして自分の抱えているつらさを旧友に洗いざらいぶちまけたいような、カタルシスへの渇望。
くだらないプライドなんか捨てて、昔みたいに打ち解けたいという友愛。
でもそれを許さない、プライドと意地。
その、自業自得の権化のような思考パターンにより身動きとれず、噛み殺しては呑み込んでさらに溜まっていく人生への嘆き・怒り・憤り・苦悩・悲しみetc,etc

それを感じ取りながら私は、顕在意識では
「お互い、いろいろあったよな。でももう張り合うのはよそうぜ。立派になったもんだなぁ。勝ったのはお前だよ。おめでとう」
と同情するような、相手を羨ましく思うような心地がしつつ、潜在意識では
「ほら見ろ!ビンゴ!あのまま俺がチケットを持っていたらどうなっていたことか!!さっすが俺様。くだらない世俗の見栄のために第四層のジジィ霊どもに魂を明け渡すようなバカな選択をしなくて正解だった!!ヒャッホー!!」
とガッツポーズをしている。

結局、横断歩道の信号が変わったのを合図に、むこうが私から目線をそらし、そのまま歩き去っていきました。
私もそのまま、もうそいつの姿を見ることもなくうつむいて、信号が赤になって車が一斉に走り出してまた止まって歩行者が道を渡って、が3回くらい繰り返されるまで、何もせずにいました。

「第四層の霊たちの駒として動いて、『日本を支えるエリート』だかとして一生を送るのも、そんなに悪い選択でもなかったんじゃないのォ?」

とうそぶいてから、何事もなかったようにまた歩き出してみたりして。ね?
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