語りかける中学数学(増補改訂版)

出版されました。
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増補改訂版 語りかける中学数学増補改訂版 語りかける中学数学
(2012/11/21)
高橋 一雄

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以前にも紹介しましたが、増補改訂されたみたいですね。

なんだ中学数学か、と思いきや、意外と発見があります(学生時代によっぽど勉強をみっちりやったなら必要ないかもしれませんが)。

たとえば111/6(ろくぶんのひゃくじゅういち)、約分できると思いますか?
「111」っていかにも素数っぽくて、一見して6とは約分できなさそうに見えませんか?
でも、実は「111」は3で割れるんです。「37」になります。
つまり37/2(にぶんのさんじゅうなな)に約分できてしまうんです。
そんなの見抜けないよ!という人のために、「約分できるかどうかを見抜く法則」があるんですね。
ここでは「3で約分できるかどうか」を紹介します。

「すべての位の数字を足して3の倍数なら割れる」

んです!(えっ!? 知ってました?)

「111」は、すべての位の数字を「1+1+1」と足すと「3」、3の倍数になりますね。
ということは、3で割り切れるんです。
(私、知りませんでした!!)

……という具合。

高校入試の数学で満点がとれてない人は、「完璧には中学数学すらマスターできてない」ともいえるわけで、参考になる箇所はあるんじゃないかな。

個人的にグッときたのは、「数学がわかる」ことと、「数学の問題を解けるだけ」なのは違うということ。

数学って、それこそ公式を知っていれば、「なぜその公式によって解が得られるのか」を知らなくても、解けちゃうんですよね。で、そのやり方でテストで100点を取ると、「自分は数学がわかっている、できている」と思い込む。

そのまま「問題が解けるだけ」で大学入試までパスすることは可能だし、それはなんらいけないことでもないとは思います。社会に出てからこれといって数学と関わらない職種に就けるなら、それで一生、問題ないともいえますね。

でも自分の場合は、読んでいて何度も目頭が熱くなる箇所がありました。

それは数学の美しさを初めて(片鱗だけでも)理解できた喜びと感動でもあり、「ちゃんとやればこんなに楽しくて面白いものなのに、どうして自分が中学生だったときにはこの素晴らしさが理解できなかった&理解させてくれるような教師や教材に出会えなかったんだろう」という悲しみと後悔でもあります。



ついでに言うと、この本に限らず理数系の本というのは、文系の人間にとってセラピーの効能さえあると感じています。

特に私のように言葉を喋ったり書いたりする仕事の場合、日常が文章・言葉で溢れているんですよね。
文系的ワールドに包まれてるわけです。

そうすると、甘いものを食べまくった後にしょっぱいものがとりわけ美味しく感じるように、言葉の文章にまみれた後に触れる記号や図形は心地いいんです。

中学数学だと、文系出身の私がボーッとした頭で読んでも、カンタンに解けてしまうんですね。
もしくは、解説を読み流しても難しくないからつらくない。

まるで絵本を読むように、へぇ〜とかふぅ〜んといって、クロスワードパズルをやるみたいに頭の体操ができるんです。

なんと私はよりによって、入浴中にこの本を読むことにしています。
お湯につかって昼間の雑事をエネルギーごと脳からも体からも全部出して、からっぽになっていくそのさなかに、これを読む。

寝てるんだか起きてるんだかわからない意識状態ですが、中学生向けの数学なのでそれでもスッと理解できます。

わからないところがもしあっても、解説を丁寧に一読すれば理解できます(なんで中学の頃はできなかったのか理解に苦しむほど。大人って体力にせよ頭にせよ、子供の頃よりなんだかんだいって強く発達してるもんなんですね)。

「わからないところがない。全部解ける」

という点が、より一層、快感になっていきます。

浴槽につかりながらえへらえへら笑いながら「わーい、全部できたー」と自分勝手に悦に入って体が温まったら出る、と。



いやでも、図形関連(←文系はわりと苦手だよね)の問題は、中学時代にスルーしてそのままの大人からすると、初めて知る解き方、十何年(何十年?)もわからないまま放置していた宿題がようやく解けたような、言葉ではうまく説明できない感慨がありますよ。
(注:しつこいようですが中学生のときに非常によく数学がおできになった方は退屈なだけかもしれません)

で、気のせいかもしれないけれど、数学以外の日常生活や仕事のなかでの「頭の回転」が速くなった気がする。
あと、これまた気のせいかもしれないけど、数学でわからなかった問題が解けるようになると、たとえば引き出しの中に物を収納するとき、きっちりうまい具合に収納できたり、なぜだかわからないけどそれまで苦手だったセンス各種まで伸びてる気がする。

ついでに言うと視野が広がって、写真を撮るみたいにある程度の範囲を一気に見て理解する、みたいな脳の処理が可能になってきました(フォトリーディング的っつーの?)。

どこかで繋がってるんでしょうかね、数学を処理する脳と、日常での動作や情報処理、運動神経を司る脳と。

いろいろ書いちゃいましたが、とっても役に立つと感じた本でした。


まさにお子さんが中学生で宿題をみてあげることがあるなんてときには、あらかじめこの本で予習(復習?)しておくと、子供にいいトコ見せられるかも!?
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