老学生の日記

58歳で会社員生活に終止符を打ち、59歳で「ボケ防止」と「家にゴロゴロしてるとカミさんに嫌がられるから」というすごい理由で東京外国語大学に社会人入学した著者の、爆笑青春エッセイ。

63歳・東京外語大3年 老学生の日記 (産経新聞社の本)63歳・東京外語大3年 老学生の日記 (産経新聞社の本)
(2009/02)
坂本 武信

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深沢七郎とか赤塚不二夫?清水義範?を彷彿とさせる(と言っていいんだろうか)、脱力系ズッコケギャグが適度に盛り込まれていて、愉快に読めます。

「私はこんなに努力した。それが実ってこんな栄冠を手に入れた」

……みたいな独りよがりな文章ではなくて、良い意味で客観的に引いた視点から物事(自分自身の有様、大学という機構、孫ほどに若い学生たちetc)を見ているので、ルポライター的に参考になる箇所が多いです。

特に著者は、現役時代(いわゆる高校卒業直後の進学)には慶應義塾大学に進学して卒業後は優良大企業のサラリーマンを定年間近まで勤めて40年ぶりに2度目の大学生活を送っているということもあり、「昔(40年前)と今の学生はどこが違うか」、「会社員になろうとする現役学生に、大幅に年上な会社員経験者としてどんなアドバイスをしたか」といった、稀有な立ち位置にいるからこそ書ける考察がもろもろ展開されていて、興味深いです。

卒業が近づき大学で「進路案内」の面談があると聞いて、“究極の進路”が頭によぎるとか、笑っていいのか戸惑うギャグをしれっと挟み込んでくるのがすごい。

それにしても、すごいバイタリティだなァ。
ここだけの話、充分に生きたからこれ以上はもう、と思い始まっている自分にとっては、励みにもなったし、敵(かな)わない心地もしました。

P.S
続編もあります。
 ↓
留学生は64歳―老学生の日記〈2〉留学生は64歳―老学生の日記〈2〉
(2008/10)
坂本 武信

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