ファッションの勉強をした話

自分はまず、子供の頃からファッションにぜんぜん興味がありませんでした。無頓着。

あと、思春期になってみんながファッションに気を配るようになってからは、自分が似合うオシャレな服を着ることで異性の気を惹いてしまったり、あるいは同性から「お前、その格好は少しやりすぎじゃないか?(=お前、俺よりモテる服きてんじゃねーよぶっ殺すぞ)」、「お前のキャラと違くね?(=お前は俺よりショボいキャラでいろよ生意気なんだよ)」という牽制と妬みを向けられたりするとそれらすべてが鬱陶しく、わざと

「はい、張り合いゲームからいちぬけた!」

とばかりにあんまりな服を選ぶようにしていました。

でも大学生くらいのときに、「自分が興味なくても、その分野に一生懸命になってる人がいるから、ジャンルとして物事は成り立っているのだ。それ相応の深みがあるのだ」的な幼稚な気づきを得て、

「きっとファッションにも、何らかの深み?があるのであろう」

と思うようになりました。

が、ファッションを学ぶってどういうこと?となると、ぜんぜん見当がつかなくて。

いわゆる「ファッションブランド」に詳しい知人に聞いても、その人が個人的に好きなブランドをいくつか挙げるだけだったり、業界の宣伝文句にのせられて特定のブランドを信奉するように洗脳されてるだけだと感じたりして、「ファッションそのもの」を学ぶには程遠い実感。

ファッション雑誌を紐解いてみても、なぜか同じブランドの服ばかりが取り上げられていたり(←私が雑誌記事の『企業タイアップ/バーターによる特集』らへんをまだ知る前だったので)、埒があかない印象でした。

まさか文化服装学院に入学するほど真剣にファッションに打ち込みたいわけでもなし、いったいどうすれば……ということで、辿り着いたのが色彩検定カラーコーディネーター検定

単純に色の理論だけを学ぶのかなと思ったら、わりとファッション業界についての俯瞰的な知識などが問われるので、これ幸いと勉強してみたんです。
(ここ強調したいんですが、先に『なんか資格とりたいなー。なんでもいいから何かないかなー?あっ、色彩検定おもしろそう!』と思って勉強をはじめたわけじゃないです。あくまで、ファッションの基本やファッション業界について学ぶにはどういう学び方をすればいいのかを模索する、というのが先にあって、探した結果、色彩検定の勉強をするのが理にかなっていたという順番です)

そしたら目からウロコ。

たとえば私、それまでは「流行色」というのは、自然発生的にそうなったのを誰かマスコミなどが「いまの流行はどうやら○○色らしいぞ」と噂して広まって行くと思ってたんですね。
それが、ぜんぜん違う。あらかじめ、○年の流行色は○色にしましょうということを決める機関があって、それに沿って各アパレル企業がその色に合わせた服をつくり、ファッション雑誌やテレビなどのマスコミとも連携して

「今年は○○色の、○○デザインが流行だよー!」

と大衆を煽動して(←煽動ってw)、それを信じた大衆に買わせる、、、という大掛かりな「でっちあげ」(←表現の印象、悪っ!)によるものなんだと気づいたのもそのときでした。
(いや、そういう動きを『悪い』と言うつもりは、ないんですよ?業界全体で、人々の間にファッションの素晴らしさを普及させよう、気づいてもらおう。そしてアパレル企業もそれができるように利益を獲得して、さらによりよい服の創出と生産に努めよう……という総意が、世界規模でのファッション業界のこうした運営スタイルを生み出し定着させたわけですから)

そうやって、ファッション業界の「オトナの事情」を知り、トレンドがいかに絶対の真実などとはかけ離れたものであるか。また、トレンドの実態がそうであったとしても、「きちんとトレンドをおさえているかどうか」は暗にみんなにとって「ようするに、みんなが言ってることにどれだけアンテナを張っているか。それにアンチになったりせず、社会に賛同して参画して生きているか」の指標として機能するということも知りました。
(だからファッションをただの自己表現と捉えると幼稚で、要は『相手とのコミュニケーションツール』なわけですね。スーツ着用が義務づけられたオフィスにスーツ姿で現れるのは、『この場のみんなが決めている、“仕事はスーツ着用で”という価値観に私は合意し、友好的な姿勢でおります』という意思表明なわけです。これは冠婚葬祭から友人と軽く会うのもすべて同じで、服という『言葉』を使って、相手に何を伝えたいかもしくは伝えていることになっているかに自覚的になることがファッションの根本なのかなーと個人的には思っています)

また、そうした業界の実態や動向とは別に、トレンドなどとは無縁の、色相理論に基づく配色のテクニック各種も、純粋に参考になりました。
(配色や素材の特色についていろいろ学んだのは服装のためだけでなく、後に自分の部屋の内装をコーディネートするうえでも役に立ちました。もちろん、プロのインテリアコーディネーターがやるようなのとは雲泥の差ですが、少なくとも色のトーンに統一感を持たせたり程度の『基本の基本』は踏まえることができている実感はあります)

もちろん、ファッションを学ぶにはこうせねばならないのだと言うつもりはありません。ファッション雑誌を読んだり知り合いのコーディネートを参考にしたりして、個々のテクニックを仕入れて結果的にいつも素敵な服のコーディネートができている人もいます。(女性のほとんどはこっちなのではと)

ただ、私の場合、そこまでファッションにどっぷり浸かるわけにもいかないけど、どうやら無頓着のままでもよくないっぽいぞ?かといって雑誌をくまなく毎月購読したり、知り合いのファッションをチェックして真似るのも気がすすまない……というところで、色彩検定の勉強が役立ったという次第です。

とはいえ、個々のテクニックをわけもわからず仕入れるのと違って、理論的に体系だって学べたので、後に雑誌編集者としてデザイナーさんと話すときなども相手の言いたいことをスッと理解できたり、演劇の舞台装置をみたときに美術担当者の意図が以前よりわかるようになったりと、思わぬ副次的効果が現れてきたのは恩恵でした。
やったらやっただけ人生は豊かになっていくものですね。

……って、昨日が色彩検定の実施日なのを知ってたまたま思い出したので書いただけでした。ぽてちん。
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